犬 アラカルト その二 ( 盲導犬 「 麻耶君 」 )

ブティック ハシモト

2021年10月06日 12:52

 
 早朝に福大病院に行く。

 待ち時間が長く、早く出掛け順番を待つ。
   椅子に座れない人も多い。

 私の前に盲導犬が ・・・
   口をアップアップして座ってる。

 その様子を見た私 ー 
  洗面所で手の掌に水をその盲導犬に ・・・

 水は、ほとんど無くなっていたが
  掌をなめてくれた。

 「 誰か!、水をやっている人がいるでしょう、
   止めてください。」

 私の無知で、馬鹿な行為を ー 叱られた。
  
  しかし、その縁で彼女の隣に座ることに ・・・
   ( そこには、ご主人が座ってた )

 盲導犬の名前は 「 麻 耶 」
  いろいろ、話がはずみ ・・・

  ご夫婦共、眼が不自由 ・・・

 小郡から 西鉄電車で天神まで
  それから西鉄バスで福大病院と ・・・

 電車内の空席を見つけた麻耶君が、
  ご夫婦を誘導するが、席に着いたと思いきや
   他の乗客が座る。

  私、「 憤 慨 」する。

 私が天神駅まで車で迎えに行く事に ・・・

 麻耶君は天神に着いたら、さっさと車の方に

 「 麻耶君!お仕事忘れたら駄目じゃないの! 」
    叱ると ー すぐさま、主人を誘導する。

 しかし、基本的に悲しいぐらい従順に
   ご主人を誘導する。

 こんな任務の犬がいるのか ・・・

     頭がさがる。

 病院行きも終わり、時々店に来られたり ・・・

  ある日、奥様から相談を受ける。

 「 麻耶君は、高齢で仕事が出来なくなります
   それで、引き取ってもらえませんか? 」

 「 麻耶君は、あなたが大好きだし・・・
    安心して、離れられる。」

  でも、こればかりは、引き受けられない!

 それじゃあ送別会をしましょう ・・・ と
  小郡の家まで食料品、大量の肉を持参。

 台所では、眼がみえる私の
  恥ずかしいほどの ” ドジぶり ”

 肉は 「 麻耶君にと… 」 思っていたが
  ご夫婦が、喜んで 競って食べられた。

 「 麻耶君 」 は、おとなしく ・・・
   少しか食べなかった。

 その後、別府のお子さんのいるお家に
   引き取られたとの事。

   きっと! 今、幸せに過ごしている。 

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