2021年11月11日

犬 アラカルト その四 "ロン”ちやん


従業員の知人で、飼い主が亡くなり、
  遺された犬を、子供さんが保健所に
   連れて行く事に ・・・

 「 先生、どうにかなりませんか!」 と、訴えてきた。

 犬を飼っている他の授業員と一緒に
  早速、その犬に会いに行く ・・・

 「 シベリアンハスキー 」  体いっぱいの犬小屋。

 体型も、大きさも解らない!
  まさに、閉じ込められてる感じ ・・・

 見た瞬間,可哀そう ・・・ と、思った。

 何の声掛けもなく ・・・ 扉を開けたとたん!
  飛び出し、走っていってしまった。

 彼にどういう察知力かあるか解らないが ・・・

 車に戻ったら ・・・ なんと、
  彼後席の扉横に神妙に
    鎮座しているではないか!

 又、又、無言で、扉を開ける。
  さっさと車の中に ・・・ 何をか言わん。

 彼の主人とも会わず、まるで誘拐の感じ。

 仕方なく、店に連れて行き
   とりあえずアトリエの方に ・・・

 彼 「 ロン 」 ちゃん は、すぐに皆に受け入れられた。
  彼も心得えたもの? 一切、声を出さない。
   ( 出せば、きっと大きな声と思う )

 お利口さんに、静かにしている。
  

 私は、動物は大好きだが、犬は子供のころ
  短期間、飼っただけで心得が全くない!

 私の住まいは、マンションだし・・・
  さっそく 「 ロン 」 ちゃん の引き取り主を探そう。
本当に、素直に心得た風についてくる

  大きすぎる! 
  それに、シベリアンハスキー!
  気候の調節が難しい ・・・

   と すべて断られた。

 こんな、素敵な犬らしくない犬なのに ・・・

 仕事も手につかず ・・・
   再々 「 ロン 」 ちゃん の顔を見に行く。

 愛される 「 ロン 」 ちゃん!
  来て間がないのに ・・・ 彼も心地よさそう ・・・

 しかし、大きな犬が部屋に居ることが知れたら
  ビル側から、苦情がでる。・・・はず
 
 飼い犬捜しを ・・・ 幸い見つかりました! 

 出入り業者の知人。
  海あり山ありで素晴らしい環境の様
   愛犬を亡くしたばかりの方が ・・・ OK!

   私も、ついて行きたい!

 別れは、悲しいが、受け入れ先が
  最高に安心できる所で ホット した。

 いよいよ、別れの時 ・・・

 彼は業者の方につれられ、
  裏階段の3階を素直について行く。
  ( 本当に、彼は現状を察知し、素直で利口な犬 )

 私も、短期間だったが、別れがしのび難く ・・・
  階段を降りて行くのを、見送る ・・・

 さっさと降りて行くさまを ・・・
  階段の中ほどで 私 

   「 ロン 」 ちゃん! そんなのってないでしょう!

 と、声を掛ける。

 彼、少し戻り ・・・ 私を見、挨拶したのです!

 本当に、短期間だったのに、・・・
  この律儀な 「 ロン 」 ちゃん

 今、こうして、うん十年ぶりに書かせてもらってる。

   「 ロン 」 ちゃん 

 本当は 「 犬 」 でなく、 「 犬 」 の姿をした
    何者かだったんだろう!!

 


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Posted by ブティック ハシモト at 13:47│Comments(0)心の装い
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